ハーブ畑より| Matricaria chamomilla

ハーブ畑より| Matricaria chamomilla

Matricaria chamomilla / Matricaire camomille, Camomille allemande ジャーマンカモミール

デイジー、アブサン、ゴボウなどと同じキク科、一年草の植物。フランスでは上記の呼び方以外にも、petite camomille, camomille sauvage, camomèle, œil du soleilなどとも呼ばれていて、古くから身近なハーブとして愛されてきたことが分かります。
名前の由来は、葉から心地よい青リンゴの香りがすることからギリシャ語の kmaimêlon(大地のリンゴ)、Matricaria は「子宮」を意味するmatrixに由来し、当時、この属の植物が婦人病に薬効があるとされていたことによります。 allemandeという修飾語に関しては、中央ヨーロッパで頻繁に使用されることを意味しています。
*フランス語で 「大地のリンゴ / pomme de terre」は「ジャガイモ」のこと。なのでカモミールのギリシャ語の説明の際は「地を這うリンゴ / pomme rampante」が使われます。
ローマンカモミール (Chamaemelum nobile) やナツシロギク (Tanacetum parthenium) と混同しないでください。


Jens Wilken Hornemann,  plantarum sponte nascentium in regnis Daniae et Norvegiae et in ducatibus Slesvici et Holsatiae, Copenhague, 1823

 

その黄色い頭花は太陽を思い出させます。古代エジプト人はこの植物を太陽神に捧げていました。それは太陽の目と呼ばれ、防腐処理の儀式で使用されました。


ローマ帝国時代のギリシャの医学者ガレノス、医者、薬理学者、植物学者ディオスコリデスは発熱や痛みに対処したり腎臓の治療に推奨しました。
ルネッサンス時代のドイツの植物学者、医師、牧師ヒエロニムス・ボックは傷の治療での利用ついて言及しました。
他にも古くから害虫を遠ざける効果、食欲と消化を刺激するために使用されたり、眠りを助けたり、この植物はリウマチ、けいれん、かゆみなどに対しても使用されてきました。
紀元前4000年以上前から人々に分け与え続けてくれているジャーマンカモミール。偉大なハーブの一つですし、ヨーロッパの歴史の一部とも言える存在です。 

 
Les Grandes Heures d'Anne de Bretagne, 1503-1508

 

ジャーマンカモミールの使い方として一般的に取り入れられているのはティザンヌですが、他にもタンチュメール(チンキ)やオイル抽出など様々な取り入れ方があります。ここで一番大切なことは、新鮮なカモミールを使うこと。何年前に摘まれたのか分からないハーブは使わないこと。
ハーブにもよりますが、このジャーマンカモミールは特に鮮度が効能に直結します。ぜひ、みなさんのお庭でジャーマンカモミールを育ててみてはどうでしょう?
私達Les apaisantesの畑での様子はinstagramの投稿をご覧くださいね!

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